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2015年12月1日

大きな切り株椅子

うれしいこと。

昨年デザインタッチ「スワリの森」でつくった『大きな切り株椅子』が、横浜にある奈良幼稚園にお引越しすることになりました!

昭和49年創業の大きな幼稚園で、園内の遊具など全部園長さんが手作りしていてカラフルでいるだけで元気になれそうな素晴らしい幼稚園です。

奈良幼稚園 http://narakids.jp/index.html

一年間、倉庫でじっとしていた椅子だけど、またお日様の光を浴びれることに!今度は沢山の子どもたちの笑顔つき😍 これほど嬉しいことはありません。他のイスについても今後のお披露目が徐々に決まってきているので、また随時ご報告していきます。

「大きな切り株椅子」は、「世界一の生物」と言われるジャイアントセコイア杉をモチーフにしたイスで、樹齢2000年という時の流れに、座って感じることができる椅子です。約2000年の年輪には、キリスト生誕から今にいたるまでの科学とデザインの年表がパラレルに記してあります。

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⚫️「スワリの森」は、DESIGN TOUCH 2014芝生広場にてディレクションさせていただいた、科学とデザインをテーマにした企画展。約20種類の、科学の秘密がしかけられたイスを作りました。

TOKYO MIDTOWN DESIGN TOUCH| スワリの森 The forest of chairs
http://harukafuruya.com/gallery/suwarinomori/

下の写真は昨年、搬出時の写真です。2014.11.03、搬出の夜、沢山の人たちに座ってもらえた椅子たちの周りの芝生は、すっかりはげていて、大きな切り株椅子をどかすと、椅子の下にはそこだけ手付かずの芝生がまあるく綺麗に生えていて、そこだけミステリーサークルのようだと、みんなで笑ったのが最後だったなあ。

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こうやって、未来に少しでも自分が作ったものを残していけるよう、来年はより「未来に残るものづくり」を目指していこうと思います。

架空のペットショップや、未来を想像するプロジェクトをどんどんやっていきたいな。

また幼稚園に切り株が設置されたら遊びに行こうかと思ってます。^^

 


2014年12月20日

[Blog]CAROL ON STREETやりました!

路上でクリスマスキャロルを歌うイベント「Carol On Street」を行いました。

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一ヶ月前ぐらいから温めてたクリスマス企画。仕事の合間にこつこつ準備してた企画。

ホットワインやホットココアを飲みながら、路上やお店の中で、通行人を巻き込みながらクリスマスキャロルをゲリラで歌う。という企画です。

6年ほど前に、三茶の路上でクリスマスキャロルを歌うイベントを主催したことがあったんだけど、それを友人に話したら、のってくれて、今年も実施することになったのでした。

Facebook Groupでメンバーを募り、今年はどこで歌おうかと話していたら、H.P.FRANCEがディレクションするクリスマススペ―ス「場と間-BAtoMA」に許可を頂き、表参道ヒルズ下地下3階のイベントスペース「スペース・オー」で公式に歌えることに!(すごい!)

寒空の下、熱く歌い合う野生のキャロルが、一気に、洗練された大人のキャロルに!まさにキャロルのシンデレラストーリー…!まさにまさに、路上で拾われた子犬のような気分!! 何はともあれ、こんな素晴らしい舞台で歌える事は、そうそう無いです。キャロル隊一同、本当に大興奮でした。

下はその時の様子。キャロル隊は10人ほどだったんですが、そこに一般のお客さんも入ってきてくれて、ずらりと列を作って一緒に歌ってくれました。H.P.FRANCEがディレクションする場と間BAtoMAの素敵な空間に歌が響いて、本当に素晴らしい空気だった。知らない人同士で歌うこと、こんなシンプルなことが、なぜこうも、スペシャルに感じられるんだろう。

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歌ったのはこんな曲達。

Silent Night /サンタが街にやってくる/We Wish a Merry Xmas/ Last Christmas/あわてんぼうのサンタクロース/もろびとこぞりて/赤鼻のトナカイ/All I want for Christmas is You / ジングルベル/もみの木….

通行人誰でも参加できるようにしたかったので、誰もがよく知るキャロルをチョイス。その場その場で、外国の方が立ち止まったら英語の曲を歌ったり、子供がいたら赤鼻のトナカイを歌ったり、臨機応変に選曲。

今回はセレンさんというミュージシャンの方が参加してくださり、ギターでその場で伴奏・前奏をつけてくださったので、とてもリッチなキャロルになりました! 生声にダンサブルな抑揚やリズムが加わって、しっとり歌う、というよりは踊れるキャロルに。本当に、楽しかった!

スペース・オーで閉店間際まで歌わせていただいたあとは、いざ路上にGO。

★★

歩きながら歌い、途中お客さんを巻き込んで歌い…

 

最後は…

何と..

無謀にも…

 

警備員さん溢れる明治神宮前の交差点でキャロル..!

 

すぐ止められるんだろうなとおもいきや、警備員のお姉さんが、にこりと笑いかけてくれたのは、本当に幸せな気持ちになった。ああ、東京の路上でも、歌えるんだな。(本当は駄目なんだろうけど。クリスマス、ありがとう。)

☆☆

もともとは、イギリスの大学でパントマイムのサークルに所属していた時に、実はこの路上でキャロル企画を、やっていました。

西洋は路上で表現する文化が日本より浸透していて、正直そこが羨ましくも思うのだけれど、でもそれをただ制度や風習の違いと割りきってしまうのも、何かひっかかっていて。

楽しいこと、幸せなこと、それが海外の文化であろうと、そういう「幸せのヒント」は、どうやったら国境を越えられるのだろうね。幸せなニュース、幸せのコツ、そういうものが地球上びゅんびゅん飛び交って、トレードされる、そんな日々が、訪れたら良いのにな。

 

いろんな人種の人と、人生の半分以上、生活を共にしてわかったことなんだけど。国籍や宗教、生活の背景がちがおうとも「ただの人間」としての歓び(悦び)はそう変わるものではないだろうと、ずっと前から、信じている。それは今も変わらない。これから一生変わらない私が唯一誇れる価値観だと思ってる。

ロンドン コヴェントガーデンのカフェで出会った大好きな風景がある。ストリートミュージシャンやオペラ歌手の卵の方が、テラス席のお客さんのためだけにバースデーソングを歌い、その場にいる全員で拍手喝采したのでした。ロンドンにかぎらず、私が住んでいたイギリス、ドイツはじめ、西洋ではそういう風景が、本当に当たり前のように、生活の中にあった。

もちろん、そこは宗教も価値観も違う異国の地。文化的背景が違うのは当たり前のこと。日本でフラッシュモブが難しいという話をよく聞くように、全く同じことをやったとしても、それが同じ「ハッピー」であるとは、限らない。ということも、自覚した上でいうけれど。

 

「ハッピー」が、国境を越えて浸透したら、それはどんなに素晴らしいものだろうか。それを実現するには、どうすればいいんだろうか

いつもそんなことを、考えてる気がする。

きっとそこには何かしらの「翻訳」が必要で、その翻訳というのは、デザインだったり、言葉だったり、ストーリーだったり、つまりは演出だと思うんだけれど、つまりは、私はそういう「いろんな人が知ってる幸せのコツ」を翻訳して、一人でも多くの人に伝えるために、演出の仕事をしてるんだと、思いました。

今回は、キャロルを日本人がもっとも自然体で楽しめる「文脈」に落としこむところまでは設計できなかったけれど、また次回 路上でパフォーマンスをする企画があったら、今度はちゃんとそこを設計したいな。

警備員のお姉さんがにこりと微笑んだとき、みんなで歌をうたうことを、何も疑わず、自然な姿勢で出来る社会は素敵だと改めて思った。(勿論お姉さんは目をつぶってくれたんだろうけど。)それが、今回、自分の心の中に書き記したい一文。

 

そしてなにより

 

一緒に企画を実現してくれた友人、一緒に準備してくれて、歌ってくれた友人たち・お客さんたち、H.P.FRANCE皆様、今回参加出来なかったけどアイデアくれたり次回は参加したいと言ってくれた友人たち、本当に、本当にありがとうございました。

ああ、なんか、結局熱い日記みたいになってしまった。。。

「楽しかったぜええうおおお」というブログにしようと思ったのに。笑

 なにはともあれ…!

みなさんが素敵なクリスマスをすごせますよーに。

I wish you all a Merry Christmas and a Happy New Year☆

★

 

 

 

 


2014年11月24日

[Others]韓国 済州島のハッカソン Nabi Hackathonに参加しました。

韓国 済州島のアートセンターで開催されるハッカソン “Nabi Hackathon : PAN Innovation for Good” に参加しました。YCAMやIAMASもサポートしているイベントのようで、メディアアートやエンジニアリングを生業とするアジアのクリエイター達と、テクノロジーを使って生活や文化をどう作り上げていくかディスカッション・プレゼン・プロトタイピングを行いました。

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IAMASのメディアアーティストJohn Smithさん、 韓国のデジタルアーティストJunbong Song さんJaehyuck Baeさんと一緒に音のならないスピーカー「Silent Speaker」のプロトタイプを2日で作り、発表しました。電磁コイルと振動というスピーカーの仕組みを使って、音ではなく「振動」を拡張して、肌で音を感じることができるスピーカーのプロトタイプです。

発表時は、強力磁石をつけた指輪を3Dプリンターで制作し、指先で体験できるようにしました。

これから一緒にものづくりできそうな仲間とも巡りあえて、とても素晴らしい滞在となりました!


2014年11月3日

スワリの森の宝物:デザインと出会って思ったこと。

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東京ミッドタウンDESIGNTOUCHの芝生広場で3週間展示をさせていただいた「スワリの森 SCIENCE×DESIGN」が、昨日3日最終日を迎えました。たくさんの方にお越しいただき、足を運んでくれた友人たちからも、「みんな笑顔でいい空間だった!」と言っていただき、本当に嬉しいです。ありがとうございました。

■感謝の言葉 Appreciation

まず最初に。

このブログは、あくまで空間演出的な観点で、とても大切なことを得たという古屋遙の個人的な観点で書かれております。スワリの森は私個人のプロジェクトではもちろんなく、私はディレクションという立場で、あくまでその一環を担ったにすぎません。企画プロデュースをされたNHKエデュケーショナルさんはじめ、参加された全ての方のプロジェクトであることを先にお伝えしておきたいと思います!

その上で、まず今回ご一緒させてくださった皆様に、お礼を。

今回森のディレクションをする機会をくださった東京ミッドタウン、全体の企画・プロデュースを担当されたNHKエデュケーショナル(Eテレ)の阿部さん、倉森さん、桝本さん石田さん、無茶なアイデアを本当に素晴らしいクオリティで実現してくださったNHKアートの小田さんと、CPLの皆様、一緒にアイデア考えてくださった科学監修のガリレオ工房の稲田さん・原口さん、3週間イスとお客さんの安全をまもってくださった森の番人 堀越さんはじめ運営の皆様、美しい地球そのものを感じるような素敵なコンセプトのイスを作ってくださり、会場の作り方について厳しいアドバイスをくださった鈴木康広さん中村製作所の皆様、美しい水のイスで森をずっと輝かせてくださった鈴木啓太さん定岡デザイン研究所 日本ビニル工業会の皆様、力強い紙のどうぶつイスを作ってくださった関口光太郎さん、最後までクオリティアップの為に粘ってくださった大西麻貴+百田有希/o+hさん、楽しい楽器のイスを3つも作ってくださったmagmaさん、ロゴや葉っぱカードのデザインをしてくださった岡崎智弘さん、森の番人衣装の刺繍を作ってくださった小林万里子さん、初期のパースを作成してくださり・空間作りのアドバイスを下さった山道拓人さん、撤収お手伝いしてくれた北川まりえちゃん、色々支えてくれた母と父、親戚のみんなと友人たち!!!

皆さん私よりも先輩で、学ばせていただくことばかりで、今回たくさんの先生たちに囲まれてひとつの空間を作り上げられたことに心より感謝です。今年7月、フリーランスになったばかりの自分にとっては、本当に大舞台で、沢山の方々にご迷惑をおかけしつつ、でもわからないことはバリバリ聞きつつ、怒られつつ、なんとか形にすることができました。

また、たくさんの嬉しい笑顔・言葉・動き を残してくださったお客さんのみなさま。たくさんの宝物を、本当にありがとうございました。

今日は、スワリの森最終日から1日たって、考えたこと。たくさんの学びがあったことを共有したいと思い、文章にしようと思いました。

映像が中心だった私が、デザインと出会って考えたこと。

■学び  のメモ   Memo of  Thinking

よかったことと、気づいたこと。

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不便は会話の母である。

今回印象的だったのは、予想以上に、お客さん同士の間に「会話」が多く生まれてたことだ。イスに座るという日常的でシンプルな行動にもかかわらず、通常のイスに座る時は生まれないような「会話」がたくさん生じていたのは面白かった。例えば、ハートバランスイスでは、バランスを取るために「もっとこっち寄って」と“協力”のための会話が生まれていたり、ヒミツを打ち明けるイスは、聞こえるかどうか、をしきりに確かめ合う“確認”の会話が生まれていた。科学のヒミツを知ったお客さんが、そのヒミツに気づかない隣の人に「これはね…」とウンチクを説明していたり、その説明を小耳に挟んだまた別の人が、隣の人にそれを伝えて…と「ウンチクの伝言ゲーム」が生まれていた事にも、空間としての可能性を1つ感じた。

展示空間って、お客さんはそれぞれのプライベート空間をどこか守りながら、静かに鑑賞するイメージが強いんだけど、この森はお客さんのプライベート空間がいい意味で食い合っていて、壁を壊していたように思える。

不便 は 人の距離を近づけるのかもしれない。もしかしたらすごく当たり前の事を言っているのかもしれないが、自然という脅威が日常的にある地方の人達程、お互いの顔を知り、対話し、支えあっている。今年の冬、都内で大雪が降った時、普段見かけない光景に、興味深いと思ったことがある。いつもは話さないお隣さん同士が、雪かきをしながら「振りましたねえ」「そうですねえ」と会話を交わしていたことだった。

不便のデザイン。何かのヒントになりそうである。

また「次はあれ座ろう」とか「これも座れるのかな?」とか、「座る」ということが空間の共通ルールとしてしっかり浸透していたことも嬉しかった。看板や、スワリの森というタイトルによる効果だとは思うけど、座るというルールが前提として浸透していたことで、「どう座ると、何が起きるのか」を検証・想像させる行動へと誘えたのは、まず空間として成功だったように思う。

空間のルールは、情報でもいいから、入口でわかりやすく伝えること。それがひとつひとつの体験の質を上げる。

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アンサーよりクエスチョン。

スワリの森は「疑問」「想像」の森であったと思う。スワリの森にあるのは、共通してどこか”不便”なイスであり、そしてそれは、この森に関しては、ポジティブな意味合いとして作用していた。イスにはそれぞれ「謎」があり、その「謎」は座らないとわからない。座っても、暫く体験・思考してみないと答えが解らない物もあった。一見イスに見えないので、自分の参加がどうインタラクトするのか、一見すると全く解らないようなデザインになっていた。

「?」 と 「!」 の間を絶妙にデザインすることで、「探る」という行動に導く。

今回大事だったのは、お客さんを、「探る」という体験に導くことだった。科学は”疑問”(?)から始まり、”仮説と仮定”を元に、”検証”を重ねて”答え(!)”を得る事に特徴があると思い、空間を作る上でもそこは重要なポイントだった。スワリの森は、科学の空間だから、そこにはアンサーよりも先に、クエスチョンがあってほしかった。それは一見すると、不親切な空間なのだけれど、科学をテーマにする上で、そこは振り切ったところだった。

そのためには、「知る」より先に、「知りたい」という感情を呼び起こす興味のデザイン(ビジュアル:視覚)がまず必要で、その次に「探る」という体験へ導くことが大事だった。スワリの森のイスが、「へんてこ」な形をしているのは、視覚的に「気になる」という興味のスイッチを押すためである。探り方を「座る」というシンプルなアクションに統一することで、多くの人が参加できる「実験の場」になったと思う。(伝え方、には反省は多いけど…)

「科学」の歴史において失敗と発明を繰り返してきた科学者たちの、「思考錯誤のプロセス」そのものを、何百分のいちのスケールで体験できる場!?みたいになれていたら嬉しい。

スワリの森は、展示されていたものがプロダクトだが、未来のプロダクトの提案をする場所ではなく、どちらかというと、”今”の「ものの見方」に対する実験の場であったようにも思える。水に座ると心地よい、遠くはなれた人と会話が通じた時に感動する、地球は丸かった、など体験を通さずに、情報として当たり前だと思っていた事柄を、「もう一度体験して気づいてみよう」と提案する場所であったようにも思える。閉じていたセンサーをもう一度開くような、試みになっていたら嬉しい。

想像の余白について。

最近「想像力」という”絶滅危惧種”についてよく考える。答えを知りたければググればすぐに拾えてしまう今の世の中で、「疑問を抱く」「解らない」という感情と人が付き合う時間は、人類の歴史を通してみると、限りなく短くなっている。「これはなんなんだろう?」「解らないなら色々試してみよう」「もし〜だったらどうなるんだろう」という想像の余白がどんどん絶滅していっているということに、私は危機感を感じている。

「もし〜をしたらこうなるのでは。」という仮定・想像そのものが科学の発端だったとすれば、想像力が喪失していく事は、イノベーションにおいてとても危機的状況だと思う。人類の、想像力の喪失と共に、進化は減速していってはいないだろうか。

そういう意味で、スワリの森という空間は「ググっても答えが出てこない」空間には成り得たと思っている。(もちろん会期中、ブログ等によって「情報」として答えは拡散はしていくのだけれど)

科学の空間を作る上で、まず「?」が浮かび、その後それが「!」に代わる体験のデザイン。それには「想像する余白」の作り方が、大事なのかもしれない。そしてそれはイノベーションにおいても重要な方程式であるように思える。

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山があれば登る。穴があれば覗く。デザインと行動心理。

穴があれば覗く。傾斜は登りたくなる。1段上がると特別な気持ちになる―。デザインは「無意識」のうちに、人を「とある行動」へと誘う魔法であると今回思い知った。そして目指した行動へと確実に誘える人が、プロのデザイナー何だと思う。今回、いくつか自分がデザインしたイスについて「無意識なる無意識」を生んでしまったことをここに書いておきたい。

私の頭をガツンと殴り、そして誰よりも、デザインについて教えてくれたのは子供たちだった。切り株イスは、「ゆっくり腰を落ち着かせるイス」であった筈が、子どもたちにとっては全く違う(むしろ真逆の)感性を刺激してしまったようだ。大人にとってはゆっくり腰を落ち着かせ、気づいた人は年表から歴史を学ぶ場所になっていたけれど、一部の子供たちにとってそこは、「走り回るグラウンド」であり、そして「アナ雪を歌うための歌姫のステージ」だったのだ!切り株の年表はその形状から「走り幅跳び」のステージに変身し、切り株の年輪模様は、まさにグラウンドそのもの。子どもたちの「走り回りたい!」欲を即座に刺激してしまった。

切り株イスが、「運動のための切り株」だったらベターだったのだけれど。かくして子どもたちにとっては、じっくり腰を下ろすのとは全く「逆」の心理的作用を与えてしまったのだ。楽しんでもらえたのは間違いないが、当初予定していた以外の行動をも刺激してしまったことには、発見があった。

硬そうなのに柔らかいイスも、そうである。私は人の「思い込み」を逆手に取るために、素材は柔らいのに見た目が硬い、という体験をつくろうと思った。硬そうなイスというビジュアルを達成するために、片方に勢い良く傾斜した座面を作ったが、それは結果、子どもたちにとっては「登り易い山」となり「滑り台」となった。柔らかい、と気づくより先に「頂上を目指す」為のイスという目的の方が子どもたちにとって魅力的だったようだ。

子供の行動はとても素直なので、彼らの行動心理は正しいように思える。そこに教えてもらった部分は非常に多い。

デザインは「無意識」のうちに、人を「とある行動」へと誘う魔法である。それは狙っていない「無意識の行動」すら呼び起こすので、ありとあらゆる「行動のスイッチ」を想定する必要がある。

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人は人の身を真似し、公共スペースの”作法”は出来上がる。

そこに人が座っていれば次の人は座り、人が立っていれば次の人も立つものである。公共空間において、人の動きを決定づけるのは、その前の人の行動が決めることが多い。そこをもう少し意識していれば、また違ったデザインが出来たかもしれないな、と思っている。切り株イスは顕著で、人が腰掛けていればそれは腰掛けるイスとなり、子供が駆けまわっていれば次の人から見ると、それはグラウンドなのである。公共空間には、様々な価値観と主観を持った人が集まる。そこで、人の行動をコントロールするためには、一番最初の人にどういう行動を起こさせるかを、計算するようにしたい。

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車いすのお客さんが教えてくれたこと。

車いすのお客さんが来てくださったことがあった。 スワリの森は座る事に特化した展示なんだから車椅子の人が最高に楽しめるべき展示であるはずだ。と思って、耳のイスの座るところをえいっとどかして、車椅子のままそこに座っていただいたら、同じ体験ができて、聞こえた、って喜んでくれた。涙が出そうだった。

もし全てのイスが、車イスの人も、そうでない人も、同じ体験をすることができるものであったら。もっと素晴らしい体験のデザインになっただろう。次、何かのおりには、是非そういう視点で空間と体験のデザインをしてみたい。そう思っています。

人の視点は「ひとつ」ではない。誰もが同じ質の体験を出来る空間は可能か??

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■森から生まれた次のミッション

スワリの森とは別に、今後やりたいなーと思ったことがこの空間から、いくつか生まれて、色々リサーチ中です。頭のなかにひっそりしているのもあれなので、ここに書いてしまいます。一緒に実現してくださる企業さま、団体さま、個人さまを募集しております。心当たりのある方はこちらまでご連絡いただけますと嬉しいです。まずはアイデアを一緒に考えに伺いたいと思います。(古屋遙   furuyaharuka@gmail.com)

 

科学と教育のデザインミッション

科学を学ぶための教育ツールのリデザイン。具体的には既存の教育キットのプロダクト・リ・デザインをするということ。日本の教育ツールって、可愛い物が少ないよね、という話をガリレオ工房の原口さんとしていて、プロジェクト化したいと思いました。西洋では、科学の実験キットも、可愛くカラーリングされていたり、直感的にワクワクするデザインのものが多く、学習そのものをワクワクさせる工夫を施すのが上手いと思う。日本の教育や学習に対する姿勢にもいえますが、率先して手を伸ばしたくなるようなツールが、教育の世界でもっと増えるといいのになあ、と。なんとかそういった「教育をデザインでわくわくしたものにする」という試みを出来ないだろうかと思っています。

公園のデザイン

「公共空間のデザイン」特に「公園のデザイン」の仕事をしたく、デザインさせていただける公園・公共スペース案件を現在探しております。今回スワリの森でお客さんの反応を見ていて、デザインによって、人のココロや好奇心を開放するスペースはいかに作れるか、ヒントを得ることが出来ました。都内では、子供が好奇心を開放して遊べる、それこそ「森を探検」するようなわくわくできる公園が少ないように思います。子供が遊ぶはずの場所なのに、そうなっていない公園(クリーンなイメージのない公園)も多く見かけます。どの公園を見ても、同じような遊具が置いてあります。一度、公園について、一緒に、ゼロから考えてみたい。それは先程の、車椅子の人もそうじゃない人も共通して楽しめる公共スペース、というテーマも含めて。公共スペースのデザインを、このスワリの森から始まり、続けたいと思っています。

 

想像力 を軸に置いた編集活動

「もしも世の中が〜〜だったら?」そんなもしも、の想像力をテーマに編集者や科学者の方々と、編集プロジェクトの準備を進めています。詳しくは後日発表します!ヒントは、予言書!? 詳しくは後日書きますが(*二回目)、ゆくゆくは想像力をテーマにした博物館を作りたいと思っています。(まず企画書作ります…)

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■最後に  finally…

そんな感じで、本当に宝物ばかり。夏から皆さんのお誘いを受けて企画をはじめて、森をオープンしてから、本当にあっという間でした。上にながながと書いてしまったように、本当にたくさんの発見と、反省がありました。機会をくださったみなさま、お力お貸ししてくださった皆様には心から感謝です。何より、お客さんに1人も怪我人が出ず、またたくさんの笑顔に出会えたこと、1日たった今、本当によかったと、ほっと胸をなでおろしています。

大切な出来事があまりに多かったので、あくまで個人的な、空間演出的観点でブログとしてかかせていただきました。NHKエデュケーショナルの阿部さんはじめ、プロデュースをされたEテレの皆様の努力と情熱がまず根底にあり、実現ができた企画で、今回そこにチームとして幸運にも混ぜていただいたことが、本当に光栄で….改めて感謝をお伝えしたいです!!

本当にありがとうございました。

 

さいごに…..

撤収中、おもしろいことがあったので下に写真を載せます!

大きな切り株イスのしたからは、人に踏まれなかったことで、新しい芝生が生えてきていました。

まるで新しい切り株が、そこから生えてくるようでした!(怪しいんですが、みんなで、つい、宇宙と交信ごっことかしてしまいました。いつまでも大人げなくてすみません。。)

 

この森に関われたこと。たくさんの宝物を得られたこと。

 

たくさんの、感謝と、反省と一緒に、次のミッションにすすみたいとおもいます。

 

本当に

本当に

みなさま

ありがとうございました。

 

written by Haruka Furuya    photos by Yasuyuki Kanazawa  model in photos : Kaho Atsuta

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2014年9月23日

[GIF]うごコマ漫画

とくにつながりはない。笑

 

「…?」                  Animel 17.01.36

 

 

 

 

「…ふふ」             03

 

 

 

「そう」                04

 

 

「……わかった  」02

 

 

 

「………………!」Animel

 


2014年7月21日

[Blog]フリーランスの演出家としての活動を開始しました。

7月1日から6年間勤めた太陽企画株式会社から独立し、フリーランスのディレクターとして活動をしていくことになりました!

ちょっと長いですが、思いの丈を書きます! レンダリング中の暇つぶしなどに是非ご覧ください…!!✨

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ドイツとイギリスで、演劇と映像を掛けあわせた表現活動や、 実験舞台の創作をおこなっていた学生時代を経て、 人の視点を表現で変える仕事に就きたいとおもった時に出会った 『広告』というお仕事。

そこで出会ったのが太陽企画という会社でした。

特に人々の生活に直接影響を与える「日本の広告」は私にとって いい意味でとても異質で、強い興味をそそられました。 帰国のたびに、駅の広告をひと目見れば、 この国で流行っているものが瞬時に分かる。 そんな国は、今まで自分が行った国のなかで、 「日本」以外にはありませんでした。 (今は韓国や中国も、だけど)

その「影響力」にはすごく、興味をもちました。 世界で共通の「美しい花」を、広告なら作れるんじゃないかと思った。 (当時は、それが作れたら戦争はなくせると思っていた。)

太陽企画は特に、トヨタのこども店長や花王のエッセンシャルなど、 いわゆるナショナルクライアント(国内企業)の 国民的TVCMを多く手がけている会社で テレビがこの世に生まれてからずっと 「映像で伝える」ことを約50年間もの間 してきた会社でした。

「おぉ、ここなら今まで通りものを作りながら、 日本の広告について勉強できるぞ!」 そう胸を踊らせました。

まだ映画のフィルムが回るTVCMの現場に入り浸り、 大きなイメージを大勢のプロたちが形にしていく世界にひたすら心酔しました。 入社一年たたないうちに、TVCMの演出もやらせていただきました。

比較的アバンギャルドな表現活動をしてきた 私にとって、太陽企画 “POPとはなにか”を 何よりもまず教えてくれました。

「太陽企画は私の中のアンディ・ウォーホルであり マイケル・ジャクソン」なのかもしれません。

太陽企画では、広告映像のプランナー・ディレクターとして 6年間勤めたんですが、 「お前の描くコンテはわかりにくい」 「哲学的すぎる」「グロい」とよく言われたものです。笑 イギリス仕込みのセンスだったので皮肉が効きすぎて 日本のテレビじゃまずオンエア出来ないようなネタばかり 出してたんですね。そりゃ無理だ。

自分の思想回路にPOP”という概念がなかったんです。

分かる人だけわかればいい、 そんな気持ちは、広告にはありえなかった。 今となれば当たり前なんですが.. 人に伝えることがどれだけ大変なことなのかを その時思い知ったし、 興味をもちました。

3年目サイバーエージェントに、約10ヶ月も出向する機会を得て、 インターネットと映像を掛け合わせる施策や、ネット上での話題の作り方、 「事業」として企画を行う楽しさを知りました。

太陽企画の 根性、クオリティ、職人魂、礼儀と人情、歴史と文化。

サイバーエージェントの起業精神、パッション、発信力、革新と先進性。

「伝える」ことに加えて「事業を起こす」ことについて考え始めました。

お金と表現の関わりについて、興味を持つようになりました。 そこから、がんがん1人で仕事をとってくるプロデュースプランニングみたいなことをするようになり、 経営者と話す機会が増えたことで、「経営」という 視点を意識したプランニングを行うようになりました。

そこで、もっと自分が活躍できる場として、 太陽企画は、「SCHOOL」という新部署を与えて下さりました。

メディアフリーで、広告以外のことにも事業分野を伸ばしていく部署の 立ち上げに携わり、映像の新規事業につながる仕事を 積極的に受けられるようになりました。 ホログラムやAR、「医療と手を組む映像」など 「新しい文化」として昇華し得る映像コンテンツの企画と演出の 提案など行いました。 部長ではありませんでしたが 部長の側で、「会社の経営と、部署の運営」について 話しあったり、事業提案なども行うようになりました。

 

そして、あれこれやりながら思ったんですね。

 

ああ、自分はコンテンツをこえて 「文化」そのものを作っていきたいんだな。と。 それも「事業」として、もっと、本気で。

打ち上げ花火ではなくて、長期的に考える事を本気でしなくてはいけないし、 それにはお金がからんでくるし、もう少し社会全体の仕組みや「経営」そのものをもっと学ぶ必要がありました。

未来に向けて「文化」を作る ということについて もう少し真剣に考えて、作ってみたい。 もっと社会問題や経営者たちと直接的な接点をもって。

そして未来に向けた文化創造について、 もっと、同じ志をもったひとたちと 死ぬほど考えて、実行できる場所がほしい。

会社の中とか外とか関係なく、 ひとつの「議題」をもとに つねに議論が生じるような プロジェクトチームを作れる環境がほしい。

それには、今頂いていた場所は本当に贅沢な場所でしたし、 感謝はつきません。 でも会社の中と外関係なく、 もっと幅広く人を巻き込んで、もっとがむしゃらにやってみたい自分の中の欲求がものすごく強くなっているのを感じました。

今、28歳。 結婚もしたいし、子供もほしい。

そう考えると、自分は あとむちゃくちゃできて5年はないかもしれない?

少なくとも、 30になるまでのこの2年を 死ぬほどむちゃくちゃやってみたい。

リスクもチャンスも全部自分1人で受けて それを自分の人生だということで、 自分の口から人に話せるようにならないと 一流にはなれない。

人の顔色をみて、足踏みしている暇は一刻もない、 ほんとうに「今」しかない。

 

つまり  「もっとがむしゃらにやるには今始めるしかない!!」

 

これがフリーランスを決意した理由です。

 

いろんな人の意見を聞いて迷う前に、 自分の直感を信じてみたいと強く思いました。

 

今後は、ひきつづき 広告のクリエイティブ・ディレクション業、プランニング業、 映像や空間の演出業、 ビジュアルコミュニケーションを主にした事業のプランニングの分野で、 いろんな企業、産業の事業のお手伝いをしつつ 、ものを作るというスキルや思想をいかした 社会貢献のあり方を模索して、実行していきたいと思っています。

自分のミッションとしては、未来に残る「新しい文化」を創造すること、が考えの基軸です。

映像×異業種 のコラボレーションによって 新しい映像の「文化」をつくること。 (教育×映像 医療×映像など) テクノロジー×デザイン=日本の産業を海外に輸出する動き 映像やテクノロジーを使った「魔法的な体験」の創出。 プロダクトづくり。建築などなど、いろいろ!

わくわくするもの。 未来にのこるもの。 世の中の視点を変えるようなもの。 そんなものをこれからも作っていきたい。 やりたいこと、たくさんです。

此処から先はこれらを「実現する」フェーズにしようと 思っています。

引き続き本当にたくさんの方々にお世話になるとおもいます。 今日のこの日まで、私に新しい視点と、経験と、 愛をくださったみなさまに、本当に心より感謝しています。 その全てがあって、今のこの決断に至ることになりました。 本当に感謝がつきません。

たくさんご迷惑をおかけしましたし、 たくさんの人に支えられてきました。 これからも、たくさんの人の支えなしにはやっていけないですし、 私も誰かの支えになりたいと思っています。

とにかく語らずしてまずは物を作り、 発表できるよう、しばらくは努めます。

 

まずは近々、発表がありますので 随時ご報告させていただければと思ってます!! 今後ともどうぞどうぞよろしくお願いいたします!

 

古屋遙[惑星ハルボリズム]

Haruka Furuya [Planet Haruborism]