今日のデキゴト:セーターのカーテン
ある日、わたしが足首ぐらいまである長いセーターを着ていたときのこと。
空港でお土産を買うためにならんでいたら、
うしろから小さな女の子の声がしました。
「これ、なあに?」
うしろをふりむくと、5歳ぐらいの小さな女の子が
私のながーいセーターをめくって中をのぞいていました。
5歳の視点からみると、よっぽど上を見上げないと、
それが、人、だなんて気がつかないのでしょう。
ながくて真っ黒な毛糸のそれは
どこかにつながるカーテンのようにみえたのかもしれません。
その先に、その子が何を見たのかは、
その子にしかわかりません。
その先には、宇宙や、水族館や
はたまたその子の大好きなものばかり売っているお店につながっていたのかも。
「こらやめなさい」とお母さんにいわれて、その子の冒険はいったんおしまい。
それが人だって答えがわからないまま冒険がおわったから、よかったね。
だって君はまた、知りたいものがひとつふえたんだから。
先人たちは頑張って謎を解明してきたけれど、
この世は君が解き明かせる謎が、まだまだたくさんのこっているから。
この世界を、どうかたのしんで。
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