exhibited in June 2015
架空のペットショップは、惑星ハルボリズム・山道拓人(ツバメアーキテクツ)・山岸遥のコラボレーションによる空間インスタレーション。
「宇宙人」「ゾンビ」「人の夢」といった架空の存在のみを取り揃えたペットショップ。
タイ・バンコクのThe Jam Factoryにてパルコ主催のアートイベント”
黒く塗られた展示空間(囲みの部屋)の中に、更に小さい劇場のような形でホログラム装置(裸眼立体装置)を設置。架空の生き物たちが、あたかも本当にカゴの中にいるかのようなバーチャルとリアルがあべこべな空間づくりを行った。
ペット達にはそれぞれ名前や詳細など細かい設定とストーリーを作り、現地の通過で「プライス(価格表)」も設置。架空のペット達の詳細を描いたチラシも設置し、ペットショップのオーナーが置いた、という設定の「来客用ノートブック」には、初日から多くの来場客が感想やペットの似顔絵等を書き込み、「架空の店舗」という試みに参加してくれた。
また当展示はシブカル祭の一環として、タイのTVメディアや新聞、雑誌などに取り上げられた。
演出によって人はどこまで信じられるのか、架空は現実にいかにして溶け込めるのか、というリアリティにおけるある種演劇的(スタニスラフスキ的)なアプローチに対して、現地のアートコレクター始め来場者数人が実際に「ペットを買いたい」と交渉して来るなど、現実と非現実の境が曖昧となった瞬間に何度も巡り会うことができた。
デジタルやバイオ・テクノロジーの力で生き物や人間関係を「再現」出来るようになった時代に、「命」の重みや生々しさはどう再現されていくのか。今後こういったバーチャルな存在とリアルな存在の境界線がいよいよなくなった時に、必要とされるのは「愛情」と「愛着」である。
このプロジェクトは、架空の生き物に、動きや設定といった「演出」を与えることで、デジタルなものに「愛おしさ」を実装する試みでもある。
のちに、渋谷パルコ店でも展示を行った。
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[Production Staff List]
Direction:Planet Haruborism
Space and System : Tsubame Architects Inc.
Modeling : Haruka Yamagishi
Thanks for the produce: PARCO, Rocket Company*/RCKT Co.,Ltd.