Categories ‐ News

2019年1月14日

[Event]東京藝術大学にてART of 8K に出展・登壇しました。

NHKEテレが主催する8K映像を題材にした展示「ART of 8K」が、12月8日ー16日、東京藝術大学にて行われました。

テクネ映像の教室 8Kテクネ 

私は「The Window」という作品を通して、8K映像を窓に見立て、窓の向こう側にいる人物が観客側に干渉してくる体験のあり方を提案しました。

▲6人のパフォーマーがガラスを一斉に叩いたり、ガラス越しにキスをしてきたりと、観客側にどこまで「物理的」に干渉できるか試みた。

12/16のトークセッションでは、他の参加クリエイターとともに、制作の裏側や意図等についてお話しさせていただきました。

私自身は、映像演出や作品づくりという視点というよりは、「ツール」としての提案や、そもそも「映像」として捉える視点から手放すことで新しい可能性が広がるのではと思っていて、セッションでは、”枠組み”としての提案をいくつかさせていただきました。

例えば、映像というのは光の集合体であるわけで、それがより高密度になるというのは、実際の「照明機材」の代替として、より使える可能性が増したということです。(=”8K照明”)例えば、毎日10分、名匠の照明を「お試し」できて、連携したアプリでそれを購入できるような「ショールーム」的な役割にするとか。(これによってバーチャル照明デザイナーみたいな新しい職種だって生まれるかもしれない。)

あるいは、そこに「モニターフレームが有る」(あるいはプロジェクションで投影した場合「投影された壁がある」)という物理的な存在性に着目すれば、窓の向こうや壁の向こうに誰かが本当にいるような「バーチャル団らん」番組サービスや、モニターを「カゴ」と設定し架空のペットを飼う体験ができる「8Kペットショップ」など、四角い窓の向こうに何を置くかによって、さまざまな「観察」が可能になると思いました。

特に番組局が長年培ってきた「生中継」という文化は、技術や演出以前に「流通ルート」の話しだったりもするので、そこに着目すれば大手テレビ局やNHKだからこそ作れないコンテンツはまだまだ十分にありえると思いました

また原寸大の昆虫や小動物を映し出せる「8K図鑑」も、「リアリティ」という意味で、既存の科学番組を塗り替える可能性があります。デジタル放送の双方向性に着目すれば、各モニターサイズに対する実寸を割り出してズームイン・ズームアウトできる仕掛けにしたりとか、テレビの外側の開発に関して模索するきっかけにもなると思いました。

あるいは、高精細映像を背景に、写真や動画を撮れる「背景サービス」として配信してみるのもどうでしょうか。すでにニュース番組などでは背景美術の代替として高精細LEDビジョン使い始めているので、それを日常の中に応用するのは可能性があると思っています。カメラを通してみると8K映像と実物の境界線はより曖昧になるため、実質、リアルタイムアナログ合成できるので、そういった映像をより身近に使ってもらう為の提案はありえるんじゃないかと。

また、EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)という眼球刺激による心的外傷後ストレス障害治療法に歴史があるように、眼球刺激の分野で「映像医療」というジャンルが生まれる可能性もあると思っています。(心の病気に、映像ができることはたくさんあると思っています。)

単なるアートとして捉えないで、ツールとして可能性を模索していけば、「放送メディア」はどんどん化けると思っています。

演出家としても、今後は舞台演出家や建築家、あるいは精神科医などが、舞台目線、設計目線、医療目線で映像を演出することになったりと、領域を越境した「演出」の概念が、うまれてくるようにおもいました。

つまり、8K映像が変えていくのは「そういうところ」なんじゃないかと。テレビの中ではなくて、テレビの周りの世界。映像の描写力というよりは、制作に関わる人に新しい職種を作り出すことや、見る人の日常に新しい習慣を作り出すことなのではないかと。

といった感じで…映像演出の枠組みで考えるには難しいお題だと感じたのは他のクリエイターの皆さんに同意でありつつも、私個人的には「うん、可能性しかないな」と実感してワクワクしていたので実はセッション中、演出軸作品軸でものすごく高度なレベルのお話しをされている大先輩方の間で、じつはちょっと形見がせまい思いがしてちょっと落ち込んでいました。 (作家としての解像度が自分に無いことにやや疎外感を感じたと共に、とてもシンプルで純粋に誰もが思いつくことを実現してこそ、技術者や企画者としてプロなんじゃないかと信じていたからです。アイデアだけじゃなくてもっと実現していく立場にならねばと強く感じた場でもありました。)

(個人的にはお客さんがどういう使い方をしたいと考えているか意見を聞いてみたいと思っています。誰もがプランナーになり得ることが、最新技術をツール化させ、文化に昇華させるための何よりもの手段だと思うので、そうやってどんどん「使用者」にアイデアを委ねて、有機的に「用途」を生み出していく流れがオープンにできると、最新技術に対して未来に素晴らしい貢献ができるだろうなと思いました。)

今回実現してみて、演出的にももっとよく見せられる点もたくさん発見できたので、何よりもとても素晴らしい体験をさせてもらったなという感覚です。(いつもこんな貴重な機会をくださる方々には感謝しかありません…。)

個人的な関心としてやはり「文化創造」があり、そのために映像技術をどう使うかという意味でいうと、今とてもおもしろい実践をいくつかのプロジェクトを通してしているので、またどこかでまとめたいと思います。


2018年7月31日

[Event]さわれる手紙をつくれるか!? ― Can you create a haptic message!?

NTTインターコミュニケーションセンター(ICC)キッズプログラム2018の一環として、触覚(haptic)をテーマに新しいコミュニケーションの可能性を探る親子向けワークショップを、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の渡邊淳司さん監修のもと、Reframe Labとして企画しました。

 

Reframe Labとは: Facebook Page

この社会に潜む見えない境界や抑圧から解放され,一人ひとりが想像力をもって他者や世界と向き合い,自身の生きる世界を変容させ続けながら生きていける社会構造を探求し,実践していくプロジェクト.児童精神科医の小澤いぶきが子どもたちのケアの現場に直面する中で感じた疑問をきっかけに,2018年4月に始動した.テーマとするのは,孤立や分断を生み出す「潜在的な社会構造」である.マイノリティ/マジョリティを問わず,自分の想像力を育みそれを肯定・拡張しながら,変容のダイナミズムを生み出すような手法を探求し,新たな社会装置を提案していく.

Reframe Lab メンバー

小澤いぶき(児童精神科医/NPO法人PIECES代表)
塚田有那(編集者・キュレーター/一般社団法人Whole Universe代表)
清水聡美(企画制作・コーディネーター)
岡本真梨子(キャリア支援家・人事コンサルタント)
古屋遥(演出家・クリエイティヴ・ディレクター)
富樫多紀(カルチュラル・エデュケーター)

 

概要:

さわれる手紙をつくれるか!? ― Can you create a haptic message!?

ことばを持たず、触覚だけで会話する「触覚星人(しょっかく・せいじん)」がいたとしたら、わたしたちはどのようにコミュニケーションできるでしょうか?

参加者は触覚星人と出会う最初の人類として、「ざらざら」「ふわふわ」「すべすべ」など,さまざまな触覚から新しいことばを開発します.全身でさわり心地を感じて遊び,自分の感情を触覚で表現しながら、触覚星人に向けた「さわれる手紙」をつくってみましょう。

「触覚」をベースとした新しいコミュニケーション手法を考えるワークショップです。

お子さんと一緒に、保護者のみなさんにも「さわれる手紙」をつくっていただきます。

 


2018年7月5日

[Works]テクネ映像の教室「8Kテクネ」に参加しました。

8K映像の試験放送にむけて、8K高精細映像の魅力を発掘する「8Kテクネ」に、映像作家として参加しました。参加作家は、新井風愉さん、曽根光揮さん、辻川幸一郎さん、谷川英司さんです。

8Kディスプレイを「窓」をとらえ、見る人が視聴者ではなく目撃者として体感できる映像を企画・演出しました。

7/15(日)0:00-0:30 ハイビジョン版が放送予定です。8K版の視聴予定に関しては情報公開次第、アップしていきます。

Eテレ テクネ映像の教室



2017年11月18日

[Event]女子美術大学キャリア支援センター特別講演会に登壇しました。

女子美術大学キャリア支援センター特別講演会に、NHK「日曜美術館」などをプロデュースされている倉森京子さんと共に、登壇しました。美術や表現を軸に仕事をしたい学生達に向けて、大河ドラマをはじめ映像演出、空間演出の仕事紹介を交えながら、普段の仕事や考え方についてお話させていただきました。これからやりたいことに満ち溢れる学生たちから、たくさんのパワーをもらいました!



2016年11月18日

[Media]SONY Life Space UX Lab.のサイトに、インタビューが掲載されました。

今ある空間をそのままに新たな体験を生み出すソニーの共創プロジェクト「Life Space UX」のサイトに、インタビューを掲載頂きました。

「気まぐれ女子の映像ライフ?」古屋遥(クリエイティブ・ディレクター)

EDIT BY ARINA TSUKADA
TEXT BY ETSUKO ICHIHARA
PHOTO BY RYOSUKE KIKUCHI

SONYのポータブル超単焦点プロジェクターを使いどのような日常風景がありえるか、取材を通して話をしました。タイのJam Factoryで展示した「架空のペットショップ」のペットを壁や床に映し出し、架空のペットと同空間内で共存する風景を簡易的に実現してみました。

それに因み、日常の中に非日常を作り出す普段の仕事について、お話させていただいております。

SONYのプロジェクターは先程「簡易的に」と書いたとおりに、とても使いやすく、映像やテクノロジーという言葉にハードルを感じる人にとっても、とても優しいデザインです。

“技術を隠す”事が、魔法を実現する何よりものエッセンスだと信じていますが、このプロジェクターのインテリアとしての完成度の高さには、まさに「映像を映像たらしめない」「技術を技術たらしめない」素晴らしいプロダクトだと感じさせるものがあります。

是非ショールームなどで実物を見て、自分なりの使い方を膨らましてみてください!


2016年4月14日

[Media]SHIBUYA PARCO Last Dance_に登場しました。

d3639-329-428477-0

2019年秋(予定)に向けたリニューアルの為、今年8/7を最終営業に一時休業をする渋谷パルコ。箭内道彦さんがクリエイティブディレクションを、井上嗣也さんがアートディレクションを、渡辺潤平さんがコピーを担当されている「Last Dance_」キャンペーンに、パルコに思い入れの深い人として、インタヴューを掲載頂いています。クリエイティブディレクター箭内道彦さん、BEAMS青野賢一さん、リンダdadaさん、アートディレクター小杉幸一さん、コピーライター渡辺潤平さんと一緒に、渋谷パルコでの思い出や、メッセージを書いています。パルコ、特に渋谷パルコさんには、たくさんの思い出と出会いをいただきました。また数年後、出会える日まで、ありがとう、そして一度さようなら、渋谷パルコ!

Last Dance_|渋谷パルコ8.7sun 一度さよなら。スクリーンショット 2016-04-14 17.54.39

[関連記事]

【お知らせ】渋谷パルコ 建替えのための一時休業のお知らせ -PARCO

「渋谷パルコ」建て替えで一時休業へ、パルコ劇場も8月で休館 -fashionsnap.com

渋谷パルコ、一時休業を発表 パルコ劇場も休館-modelpress


2016年4月7日

[Works]2016 PARCO SWIM DRESSキャンペーンが始まりました。

パルコの夏の広告キャンペーン PARCO SWIM DRESS | 水の星に、生まれた。が、3/30(水)よりスタートしました。浮き輪や水着といった夏の風物詩たちが、夏以外の時期に一体どこに潜んでいるのか、という疑問から、彼らは同じ「水の星」に住まう家族なのではないかという設定を作り、「水の星に、生まれた。」のコピーと共に、メインビジュアル(ポスター)・映像・Webを展開しています。キャンペーンモデルとして女優・タレントの佐野ひなこさんに出演していただきました。パルコ全館のポスター及びサイネージ上の映像としてあちらこちらに登場します。わくわくした夏気分で、パルコで楽しくお買い物をしていただけたらと願っています。

36bbabc9b755fa92d8f54dd6326d3279-1024x723poster01スクリーンショット 2016-04-06 2.16.23スクリーンショット 2016-04-06 2.16.32スクリーンショット 2016-04-06 2.15.25

今回私はコンセプトメイキングや企画含めたクリエイティブディレクション及びデザイン・ロゴ製作といったアートディレクション・映像編集を担当しています。詳しいスタッフリストなどは下記ページをご覧ください。

【2016 PARCO SWIM DRESS】キャンペーンモデルが佐野ひなこに決定!

 スクリーンショット 2016-04-06 2.16.46

 △映像はこちらから!


2016年4月7日

[Media]2016 PARCO SWIM DRESS記者会見に登壇しました。

3/20(水)2.5Dにて行われたPARCO SWIM DRESSキャンペーンのローンチ記者会見に、キャンペーンモデルの佐野ひなこさんと共に惑星ハルボリズムが登壇しました。クリエイティブディレクション・アートディレクションを担当したメインビジュアルとCMの発表を行い、その後佐野さんとのトークタイムで、制作の裏側やコンセプトなどお話をしました。キャンペーンは、夏まで続き、その間パルコ全館でメインビジュアルや映像をご覧いただけます。是非見つけてみてください!:)

e271d698a92be5b6d5e366f1283e1eb4

2.5Dのツイッターに、佐野ひなこちゃんとパルコアラとの3ショットをアップしていただいたよ!佐野ひなこさんは明るくてどこか敵わないなっという強さがある素敵な女優さんだとおもいました。ありがとうございました。🍍🍍🍍スクリーンショット 2016-04-07 16.24.04